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【適切な1回授乳量】赤ちゃんの胃の大きさから考える|市川市・船橋市の母乳外来

超基本の授乳のコツ

入院中に助産師・看護師によく言われることの1つ。
「1回の授乳で、『(日齢+1)×10ml』赤ちゃんに飲ませてくださいね。」

これはつまり、
生後1日目なら、(1+1)×10ml=20ml
生後3日目なら、(3+1)×10ml=40ml
の授乳量にしてね、ということです。

この式は「母乳量+ミルク量」という意味合いで使われることもありますし、「直接授乳後のミルク補足量」という意味合いで使われることもあります。

いずれの方法であっても、できるだけ母乳で赤ちゃんを育ててあげたいと考えている方にとっては、これがとても邪魔になることが多いです。

【適切な1回授乳量】赤ちゃんの胃の容量から考える

3000g前後で生まれた赤ちゃんの胃の大きさの目安

この画像の通り、3000g前後の体重で出まれた赤ちゃんの胃の大きさは、このようになっています。

赤ちゃんの胃の大きさ
  • 生後1日目:5~7ml(さくらんぼ大くらい)
  • 生後3日目:22~27ml(くるみ大くらい)
  • 生後1週間:45~60ml(アプリコット大くらい)
  • 生後1ヶ月:80~150ml(鶏卵大くらい)

*3000g前後で生まれた赤ちゃんの場合の例です。

「こんなに小さいの?」とびっくりされた方も多いと思いますが、これを見ると
「(日齢+1)×10ml」
という計算式では、少々多すぎる
ことがお分かりいただけると思います。

出産直後は1度に20mlも30mlも母乳が出ないのは当たり前で、ほとんど出ない~ほんのちょっと滲む程度が普通です。

そこに「 (日齢+1)×10ml」に沿うように、たくさんのミルクを足せば当然の結果として、

  1. 赤ちゃんは満腹でたくさん寝てくれる
  2. →授乳間隔が開いて、授乳回数が減る
  3. →乳頭への刺激の頻度が減る
  4. →母乳を出すために必要なホルモン「プロラクチン」の分泌低下が進む
  5. →母乳があまり出るようにならない

というサイクルに入ってしまうんですね。

もちろん言うまでもなく、赤ちゃんの排泄状況・体重減少状況・全身状態等に応じて、必要な搾母乳やミルクを補足することは必須ですが、全員の赤ちゃんに対して一律に「 (日齢+1)×10ml」を当てはめると、母乳で育てたいお母さんにとっては退院後の「困った!」に繋がりやすいです。

「1回授乳量はちょっとで、でも授乳回数は多め」 が普通のこと

ここまでをまとめて考えると、「1回授乳量は少量で、授乳回数は多め」というのが普通だし合理的…しかも、赤ちゃんの体に合った授乳だということがお分かりいただけると思います。

授乳しても15分後・30分後に泣かれてしまうと、
「私の母乳じゃ足りないんじゃ?」
と不安になると思いますが、お母さんと赤ちゃんが心身ともに元気であれば、1日に15回でも20回でも授乳して大丈夫ですし、母乳だけで赤ちゃんを育てる場合には、それくらい多い回数の授乳回数はごくごく普通のことでもあります。

頻繁な授乳の弊害としてよく起こるのが「お母さんの心身の疲労」ですが、そこが問題にならないようにするためには、

  • 適切な吸着による、痛みのない授乳姿勢
  • 体のどこも辛くない、休息しながら授乳できる、ラクチンな授乳姿勢

が必須になります。

痛みなくラクチンな授乳のコツについては、オンライン両親学級でより具体的にお伝えしていますのでご利用くださいね。

まとめ

赤ちゃんの胃の大きさを考えれば、健康な母子の場合は 「1回授乳量は少量で、授乳回数は多め」 が普通だし、その方がスムーズに母乳育児が軌道に乗りやすい、というお話しでした。

赤ちゃんが頻繁に授乳したがると、事前情報を提供されなかったお母さんはとても不安になることが多いですが、妊娠中のうちに
「これが普通のことだ」
と知っておくだけで、心の負担が少し軽くなると思います。

オンライン両親学級や個別相談、やってます。

お母さんと赤ちゃんとご家族が、より快適に・ラクチンに・安全に妊娠期~子育て期を過ごせるように、様々なカタチでお手伝いしています。

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