離乳食をスタートして、ペーストだけを食べさせていた最初の1~2ヶ月くらいはよく食べてくれたけど、粒状のものにステップアップしたら食べてくれない…
離乳食がペーストから次のステップに進めなくて、結果的に食材のバリエーションが増えないまま時間が経ってしまったり、必要なエネルギー量が摂取できなくて困るご家庭もあります。
今回は、滑らかにすり潰したペーストしか赤ちゃんが受け入れてくれない時に、どのように対処すればよいのかお話ししていきます。
離乳食-ペーストしか食べない場合の進め方
1回の食事の中で、ペースト状と粒状のものとを行きつ戻りつして食べる
昨日まではペースト食だったのに、ある日突然お皿の中身が全部粒状のものになったら、やはりビックリして食べたがらない子もいます。
ですから、まずは1つのお皿の中に、ペースト状と粒状の両方が混在するように調理します。
とはいっても、「調理」というほど特別なことは必要なくて、今までよりも「適当に・雑に」ペースト状にすれば、自ずと粒状の部分ができるのではないかと思います。
この「テキトーなペースト=粒入りのペースト」ができたら、例えばこんな感じで進めてみると上手くいくことがあります。
- 赤ちゃんの様子を見ながら、まずは食べ慣れたペースト状だけの部分を口に運ぶ。
- ペーストを受け付けてくれたら、次は粒状のものも含まれる部分をお口に運ぶ。
(スプーンの上には、ペースト状と粒状の両方が乗った状態) - 粒状のものが入っていると吐き出してしまうなら、次の一口ではまたペースト状だけの部分を口に運ぶ。
- 再び2に戻って繰り返し。
必要に応じてスプーンに乗る粒の比率を下げて、「いつものペーストにごく少量の粒が混じっただけの状態」から、徐々に粒状の比率を上げていくのもアリ。
このように、「数回与えてみても粒状のものを受け付けてくれなかったから先に進めない」と捉えないで、スプーンに乗る粒の比率を調整しながら、「ペーストだけ食べる→粒状が入るとペッと出す→もう1回ペーストだけ…」と繰り返すうちに、「少しの粒入りなら受け付ける→徐々に粒の比率を上げていく…」というように、食べてくれるようになることがあります。
赤ちゃんに食材・食事を視て・触る機会を十分作ってあげる
赤ちゃんのキャラクター的に、慎重だったり、あるいは好奇心旺盛だったりすると、
今から自分の口に入ってくるものが何なのか、自分で視て・触って・嗅いで確かめたい!
と欲求することもよくあります。
「離乳食」と聞くと、何となく「大人が赤ちゃんに食べさせてあげる」イメージがありますが、受け身で「アーン」とお口を開いて待っていてくれる子ばかりではないんですよね。
受け身で「アーン」とお口を開いて待っていてくれる子ばかりではない
ですから、赤ちゃんにも食材や料理に触れるチャンスを作ってあげると、食事への姿勢が前向きになることがあります。
- かみ切ることができないような食材(よく洗って直径1.5~2cmほどの棒状にしたキャベツの芯・セロリの根本、ドライフルーツなど)を赤ちゃんの前に置いて、赤ちゃんが自分で手に持ったら、手元に集中しているタイミングを見計らってスプーンで「ペースト+粒」のものを口に運ぶ。
- かみ切ることができないような食材を赤ちゃんの前に置いて、自分で口に入れる素振りを見せる場合、スティックに「ペースト+粒」を付けて(ディップして)、自分で口に入れるように仕向ける。
- 「ペースト+粒」のお皿を2つ作って、赤ちゃんがお皿の中身をグチャグチャ触って遊んでいる合間に、スプーンで口に運ぶ。
赤ちゃんの手についたものを自分で口に入れる子の場合は、赤ちゃんの手にディップするのを手伝ってもOK
この「赤ちゃんに食材・食事を視て・触る機会を十分作ってあげる」というのは、多くの場合、ものすごくあちこちが汚れます。
片づけが大変な時期はどうしてもできますが、「離乳食準備-必要なコト」でもお話ししたように、「赤ちゃんにとっては食べ物は怖いモンスターと同じ」ですから、食べ物をよく研究して慣れ親しむ機会をたくさん作ってあげた方が、中長期的にみればラクチン、ということも往々にしてあるのです。
ペーストの離乳食しか食べない時は、スモールステップで
赤ちゃんの様子を見ながらスプーン一匙に乗せる粒状の比率を調整したり、一見直接は関係ないような「食材・料理に触れる」機会を作ったり、どちらも一気に解決に向かうような方法ではありません。
でも例えば、
「遊んで気を紛らわしながら口に入れる」
「テレビやスマホを見せて気をそらしながら口に入れる」
ようなやり方で粒状のものが食べられるようになった場合、それは本当に「食べられるようになった」と言えるでしょうか?
とりあえず「今は」次のステップである「粒状のものを食べる」というミッションを果たせたように見えても、どこかのタイミングで
「なかなか座って食べてくれない」
「何ヶ月(何歳)になっても遊びながらでないと食べてくれない」
「自分で食べようとしない」
「食べ方を学習していないので硬さのあるものが食べられない」
など、また違ったお困りごとが出てくることがよくあります。
地味で遠回りに感じるかもしれませんが、先述したようなスモールステップを重ねて、今後の食行動でも困りにくい「下地」を作っていっていただきたいな…と思います。
離乳食のご相談も承ります
助産院というと「おっぱいが痛くなったら相談するところ」というイメージの方も多いのですが、赤ちゃんのお食事の相談も承っています。
- 離乳食開始に向けて、詳しい準備について相談したい
- 離乳食スタートしたけど、今の状況に心配がある
- 全然食べてくれないように感じて心配
等の場合も、お気軽にご相談ください。
離乳食相談の場合は、普段お食事をする場所や、食事風景をスマホで動画撮影していただいてご相談いただきますので、実生活の中でのポイントをお伝えすることができます。
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