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授乳時間「右5分ー左5分」は、実はおすすめできない|市川市・船橋市の母乳外来

超基本の授乳のコツ

出産後の入院中、

「右5分ー左5分を2クール授乳してね」

こんな風に助産師・看護師に言われるお母さんは、今もけっこう多いようです。

短い時間で左右を切り替える理由としては、こんな風に説明されることが多いです。

  • 赤ちゃんがまだ小さいから、長い時間授乳すると疲れちゃうから
  • 長い時間授乳すると乳首が痛くなったり、傷ができたりするから

一見、筋が通っているというか、理にかなっているように思えますよね。

ところが…

左右を短時間で切り替えて授乳することが、のちのちのトラブルに繋がる親子も実は多いです。

「5分5分」でも「7分7分」でも「9分9分」でも、時間を区切った授乳は同様のリスクがあります。

短時間切り替え授乳を続けても特に問題なく母乳育児生活ができる親子もいますが、次のようなトラブルを抱えてしまうこともあります。

トラブル①:授乳が必要以上に頻繁になる

母乳の成分は、一回の授乳中に変化することが分かっています。

授乳の始まり頃は、脂肪分が少ないあっさりとした母乳が分泌されますが、授乳の終わり頃には、脂肪分を豊富に含むコッテリとした母乳(これを「後乳」と呼びます)に変わります。

短時間切り替え授乳をしてきると、後乳まで飲むことができないために、赤ちゃんは脂肪分が少ない、ローカロリーの母乳ばかり飲むことになります。

このような理由で、赤ちゃんはより早く空腹になってしまうので、授乳頻度が頻繁になりすぎることがあります。

トラブル②:赤ちゃんの体重増加不良

先述した通り、

授乳のはじめ頃:脂肪分が少なくローカロリー
時間の終わり頃:脂肪分が多くハイカロリー

と、母乳の成分・エネルギーが変化します。

脂肪分を豊富に含む後乳まで飲めない赤ちゃんは、量はたくさん飲んでるのに、エネルギー(カロリー)は十分摂取できない状態になるので、体重が増えにくくなることがあります。

一回授乳量測定(いわゆる母測)をすると、母乳はたくさん飲めているはずなのに、なぜか体重が増えない…というような時には、この短時間切り替え授乳が原因のことがあります。

トラブル③:母乳過多

短時間切り替え授乳をすることにより、

赤ちゃんは脂肪分が豊富な後乳まで飲むことができない
→母乳の量は飲んでる割に、すぐに空腹になる
→授乳回数が必要以上に増える

という悪循環に陥りやすいと、お話ししましたね。

つまり乳房から出ていく母乳の量がとても多くなる訳です。

母乳は「乳房から出ていった分だけ新しく作る」というシステムになっていますので、この悪循環を続けていると、母乳が作られ過ぎるようになってしまうことがあります。

「母乳が出ないよりいいんじゃない?」
と言う人も多いですが、母乳が出過ぎる「母乳過多」は、非常に厄介なトラブルです。

作られた母乳を適切に乳房外に出さないと、痛みのあるしこりになったり、乳腺炎になったりするリスクが上がります。

毎日が「いつ乳腺炎になってもおかしくない綱渡り状態」になるので心も体も疲弊しますし、それからまた、常に乳房がパンパンに張っているのでとても不快です。

母乳が足りない問題はミルクを使えばなんとかなりますが、母乳過多の問題は即効性のある代替選択肢がなく、解決に時間がかかることが多いため、想像以上に厄介なのです。

トラブル④:赤ちゃんの不調

繰り返しお話ししてきたように、一回の授乳中に母乳の成分は変化します。

授乳の始まり頃:脂肪<乳糖でアッサリ
授乳の終わり頃:脂肪>乳糖でコッテリ

という傾向があります。

つまり、短時間左右切り替え授乳により、赤ちゃんは
・脂肪分は少なく
・乳糖は多く
摂取することになります。

赤ちゃんにとっては、乳糖ももちろん大事な・必要な栄養なのですが、摂取する量が多すぎると様々な不調を引き起こすことがあります。

ちょっと理系な育児」というサイトで、その症状について分かりやすく解説していますので引用します。

【乳糖過負荷の赤ちゃん 】
・体重が増えない
・過剰なおなら
・水っぽい便を、豪快な音を立てて頻繁にする(軽い場合は黄色、重症になると緑色に)
・コリック(腸内で大量生産しているガスのせいで泣く)
・落ち着きがない
・酸によって肛門がただれる
・粘液の混ざった便

https://rikei-ikuji.com/?p=7586

【 過飲症候群の赤ちゃん 】
・ 最初はものすごい勢いで体重が増える
・ その後、体重の増えが悪くなる
・ 母乳を吐く
・ たそがれ泣き(コリック・疝痛)のように泣く
・ 頻繁にゆるい便をする
・ 便は泡状だったり緑がかっていたりすることもある

https://rikei-ikuji.com/?p=7586
  • 授乳の始まり頃に多く含まれる「乳糖」ばかり飲むこと
  • 母乳を必要以上に多量に飲むこと

は、こんな大変な状況を生むこともあるんです。

でも、短時間の授乳じゃないと乳首が痛くて…

ここまで、左右短時間切り替え授乳をするリスクについてまとめてきました。

でもそうは言っても、
「短時間で左右を切り替えないと、乳首が痛くて我慢できない…」
ということもありますね。

痛い授乳は心も体もつらいですよね。

ところが、長時間の授乳や頻繁な授乳は、本来は乳頭痛の原因にはなりません。

  • 乳頭痛
  • 乳頭の傷がある

ということの最大の要因は、「赤ちゃんが適切に乳房に吸い付けていない」これに尽きます。
(カンジダ感染や赤ちゃんの口腔内の異常により痛みが出ることも時々あります)

痛くない適切な授乳のコツについては別の機会にまとめますが、「痛いから短時間切り替え授乳を」は、あまり適切ではないということを知っておいていただければと思います。

「じゃあ、どうやって授乳時間を決めて、左右の乳房をスイッチすればいいの?」
という部分については、次回まとめます。

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