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混合栄養でのミルク量の決め方|市川市・船橋市の母乳外来

混合栄養

混合栄養でのミルク量の決め方

赤ちゃんを混合栄養で育てていると、
「このミルクの量で合ってるかな?多すぎたり少なすぎたりしてないかな?」
と心配になる人はとても多いです。

「混合から母乳メイン or 母乳だけ(完母)にしたい!」という場合はなおさら、ミルクの量の決め方が難しく感じ人が多いです。

それもそのはず。
私たち助産師にとっても、混合栄養におけるミルク補足量をご提案するのは、けっこう難しいお仕事なのです。

じゃあ、どうやってミルクの量を決めてるの?

よく勘違いされますが、混合栄養におけるミルク補足量を決めるのに、ルールやガイドラインはありません!

このようなことを↓総合的に考慮しつつ、これまでの助産師としての経験則を踏まえて、最終的には「なんとなく、これくらいが適切な量かな…」と感覚的に・手探りで決めているのが実情です。

ミルク補足量を決めるための要素
  1. 赤ちゃんの体重の増え具合
  2. 赤ちゃんの排泄状況
  3. 母乳分泌状況
  4. 授乳回数
  5. 搾乳回数・量
  6. お母さんの心身の疲れ具合
  7. 周囲の人からのサポート状況
  8. どのような栄養法で赤ちゃんを育てたいか? 等々…

例えば、
「今の混合栄養から、もっと母乳メインに or 母乳だけ(完母)したい!」
というご希望の場合。

赤ちゃんの体重増加・全身状態が良好で、お母さんの心身の疲労も許容範囲内なら、
「現状のミルク量を1~2割カットして、その分、授乳回数が少し増えるように仕向けましょうか」
とか、
「減らしたミルクの分を搾乳に置き換えてみましょうか」
といったご提案をすることが多いです。

そして、1週間後くらいにもう一度状況を確認して、このまま段階的にミルクを少なくしていっていいのか、もう1週間は今のミルク量を維持した方がいいのか、反対にもっとミルクを増やした方がいいのか、判断していくことになります。

つまり、

  • 前提条件(母子の状況)によって、混合栄養の補足量をどれくらいにするのが適切かは違ってくる
  • 補足量が適切だったからどうかは『後から振り返って』しか分からない

ということなんですね。

けっこう、ややこしいです💦

ミルクの量が多すぎたり、少なすぎたりしたらどうなる?

混合栄養で赤ちゃんを育てる多くのお母さん・お父さんは、健康に赤ちゃんに大きく育ってほしいし、「ひもじい思いをさせてはいけない」という思いから、どちらかというと、ちょっと多めのミルク量にしていることが多いです。

赤ちゃんに健やかに育ってほしいという、当たり前の親心だと思います。

一方で、少数派ではあるけれど、「母乳だけ(完母)にしたい!」という熱い思いゆえに、ミルク量をカットしすぎてしまう方にも時々お会いします。

ミルク量が多すぎたり/少なすぎたりすると、どんなリスクがあるのでしょうか?

混合栄養でミルクの量が多すぎる場合のリスク

➀ 母乳分泌量が少なるリスク

母乳は「赤ちゃんが飲んだ分だけ/搾乳した分だけ、新しく作る」という仕組みの元で、新たに作られる母乳量が決まっています。(これを「オートクリン・コントロール」といいます)

さらに、乳房内に溜まったままの母乳からは、
「もうそんなに母乳を作らなくていいよ~!」
という指令を出す「 乳汁産生抑制因子(FIL)」 という物質が出てきます。

だから、 授乳/搾乳しないまま、 「母乳が溜まったままのおっぱい」になっていると、「母乳分泌ストップ!」に拍車がかかってしまうのです。

おっぱいは、在庫を一切抱えない、「超!優秀な母乳製造工場」なんですね。

もっと具体的に言うと、こんなこと↓がよく起こるんです。

ミルクが多すぎると…
  1. 多めのミルクを飲むと、赤ちゃんが少し長く眠る
  2. 授乳間隔が開いて、授乳回数が少なくなる。
  3. 乳房から出ていく母乳量が減るので、母乳生産量が減る
  4. 乳房に溜まったままの母乳から乳汁産生抑制因子(FIL)が出て、さらに母乳生産にストップがかかる。
  5. 思いがけず、「ミルクメインの混合栄養」or「ミルクだけ(完ミ)」になる。

② 乳腺炎などのトラブルを起こすリスク

反対に、

  1. 母乳分泌量が比較的多い状態で混合栄養をしているお母さんの場合
  2. ミルクを多めに与えたタイミング(=授乳回数が減るタイミング)と、お母さんの心身の疲労が溜まったタイミングが合ってしまった場合

このような場合では、乳房に母乳が「うっ滞」してしまうことによって、乳房に痛い「しこり」ができたり、乳腺炎などのトラブルのトラブルに発展することも、比較的よくあります。

混合栄養でミルクの量が少なすぎる場合のリスク

赤ちゃんの発育・発達に悪影響を及ぼすことがある

混合栄養でミルク補足量が少なすぎて、足りない分を直接授乳/搾母乳で補うこともできない状態が継続すると、赤ちゃんの体重増加が少なくなってしまったり、脱水を起こしてしまうことがあります。

もっと長期的にミルク量が少ない状態が続くと、脳やその他の臓器の発育や、発達に悪影響を及ぼすこともあり得ます。

だから、混合栄養から母乳だけ(完母)にしたい場合であっても、急激にミルクをカットするのではなく、段階的に少しずつ減らしていくやり方を、私は提案しています。

つまり、混合栄養って、意外と難しい

つまり、何もトラブルを起こさずに混合栄養をしていくのって、けっこう大変なんです。

毎日毎日、赤ちゃんの様子と、おっぱいの様子を見ながらミルク量を調整していく必要があるので、「綱渡り」の連続になっちゃうんですね。

ご両親だけで適切なミルクの量を判断するのは難しいこともあるだろうと思います。
心配がある時には、どうぞご相談くださいね。

個別相談をお受けします

こうして記事にできるのは、あくまで一般論なので、「我が家の場合はどうしたらいいの?」という時はご相談くださいね。

個別相談には、➀訪問相談(地域は限る)、②Zoom相談、③LINEチャット相談があります。

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