乳腺炎になった時、多くの女性が
「ケーキ食べたからなぁ…」
「バーベキューして、お肉いっぱい食べたからでしょうか…」
などなど、食べ物にまつわる心当たりについて話されます。
でも、乳腺炎の原因は食べ物じゃないんです!
というお話は前回しましたので、今回は「じゃあ、ホントの原因は何?」ということについて解説します。
乳腺炎の本当の原因はこれ!
科学的に裏付けのある乳腺炎の原因は、
「母乳が乳房から効率よく出ていけなくて、溜まったままになること」
現在分かっているのは、たったこれだけです。
これに加えて、乳頭に傷があると、そこから感染を起こしやすいのでリスクがさらに大きくなります。
では、具体的に、どんな時に「母乳が溜まったまま」になるでしょうか。
- 授乳回数が少ない
- 授乳回数や授乳時間を大人があらかじめ決めている
- 赤ちゃんが急に長く眠るようになった(授乳間隔が開いた)
- 外出や来客によって、授乳をスキップした
- 適切な吸着・吸てつができていなくて、赤ちゃんが効果的に母乳を飲み取れていない
- 急に断乳した
- 母乳過多(母乳が過剰に分泌される状態)である
- 乳房の圧迫(きついブラジャー、シートベルト、不適切なおんぶ紐の使用)
- お母さんor赤ちゃんが病気
- 乳頭の白斑や、乳管の閉塞がある
このような理由で、乳房の中に母乳が溜まったままになる=「うっ滞」することによって乳腺炎は発症するとわかっています。
お母さんの疲労・ストレスもあなどれない
乳腺炎は「炎症性の疾患」です。
つまり、病気の1つです。
例えば、風邪に罹っている人と同席した場合に、「Aさんは発症しなかったけど、Bさんは発症した」ということが起こり得ますが、乳腺炎でも似たようなことが起こります。
過剰に疲れたり、ストレスが溜まっている状態が継続して、いわゆる「免疫が低下した状態」になると、乳腺炎も起こりやすくなると考えられるのです。
上記の「よくある原因」に思い当たることがなくても、例えばこのような状況だと、乳腺炎になったり、乳腺炎を繰り返す方がいらしゃいます。
- 家事も育児も全部お母さん1人がやらないといけないくらい、周囲の人のサポートがない
- お母さんの性格的に緊張しやすく、疲れやすい
「産後の疲れ・ストレス」については、周囲の人・社会の人だけでなく、お母さん自身も「仕方がない」「当たり前」ととらえていることがあります。
でも、産後うつ予防のためだけでなく、乳腺炎予防の視点から考えても、「お母さんの疲労・ストレス」は侮ることができないリスク因子なのです。
食べ物も乳腺炎の原因でしょ?
冒頭でも触れたように、特定の食べ物が乳腺炎の原因になるという科学的根拠はないです。
こちらの記事でその理由についてまとめていますので、併せてお読みくださいね。
乳腺炎予防のためには、具体的になにをすればいいの?
先述したように、乳腺炎の主な原因は「母乳が乳房から効率よく出ていけなくて、溜まったままになること」 ですが、じゃあ具体的にどうすれば予防することができるのでしょうか?
細かいコツも含めると、乳腺炎対策はけっこうたくさんありますので、別の機会にまとめますね。
個別相談をお受けします
授乳のお困りごと、ご心配、トラブルについての個別相談を承っています。
特に乳腺炎については、大きなトラブルに発展する前に「早めの対処」「早めの受診」が必要ですので、お困りの方は早いタイミングでご連絡いただくことをおすすめしています。
個別相談には、➀訪問相談(地域は限る)、②Zoom相談、③LINEチャット相談があります。